再生
私に転機が訪れたのは3年の春だった。
その日 は外部模試が有り、予備校で模試を受けていたのだが、 今まで私の事を散々言って居た男子達が
受験モードに入り、まるで何も無かったかのように
真面目な顔をして志望校の話しをして居た。
精神の糸の様な物は絶え間ない圧の中では無く 緩急の中に切れるのだ、と思った
たまらず1科目が終わった時点で会場から飛び出した
彼らはこの先私の事は人間関係の潤滑油程度の印象で
高校を卒業し、一流大学に入って
結婚し、子供を授かったりするのだろう
まるで自分は世界一模範的で清らかな人間の様な
顔で、また心の奥底からそう信じ
幸せになるのだろう
歩きながらそう考えた
自分が誰かの歯車になった様だった
暇になってしまい、親は外部模試の事を知っているので 近くの大きい本屋で時間を潰すことにした
と言っても小説を読む様な精神的余裕は無いし、
本屋をあてもなく歩いていると
地学のコーナーに行き当たった
私は文系だったので、理科基礎で地学と物理を
取っており、地学には少し興味があったので
何の気無しに手近な一冊を手に取ってみた